面白い本、み〜つけた!『老人の取扱説明書』

高齢患者さんとのつきあい方のヒントがいっぱいです。

著者:医師・医学博士 平松 類
発行:SBクリエイティブ株式会社
高齢の患者さんが増え、コミュニケーションが難しいと嘆いているナースの皆さんも多いのではないでしょうか。
そんな方におすすめの本が、その名もズバリ! 『老人の取扱説明書』。 著者は、メディアの出演も多い眼科の医師・医学博士の平松 類先生。 10万人以上の高齢者と接してきた平松先生の「なるほど話」が満載なんです。
そのなかから、少しだけご紹介しましょう。
老人の困った行動<その1>
突然、「うるさい!」と怒鳴る。それは、気難しいからではありません。
外来や入院の患者さんで、突然、「うるさい!」と怒鳴る人を見かけたことはありませんか。「わぁ、気難しそうだなぁ」と引いてしまいますが、それは決して性格によるものではないかもしれません。 平松先生によると、高齢者は耳の機能が衰えるために、周囲のザワザワした雑音を不快に感じやすくなるそうです。周囲の音が一定の音量を超えると、耳鳴りのような音に聞こえ、反対に、高音域の音は聞き取りづらくなるといいます。

突然、怒鳴る高齢患者さんに出会ったら、「耳が悪いのかな」と疑って、よく聞こえるように、正面からゆっくりと、低い声で「どうされましたか」と話しかけてみましょう。そうすれば、落ち着いてお話ししてくれるかもしれません。
老人の困った行動<その2>
「私なんて、いても邪魔でしょ?」ネガティブな発言にはどう対応すればいい?
高齢患者さんで、自分を卑下する発言を繰り返す方はいらっしゃいませんか。たとえば、「もうそろそろ死んだ方がいいよね」「私なんていない方がいいよね」…など。そんなとき、「話をとにかく聞いてあげる」というのは大間違い、だと平松先生は指摘します。「そうですね」と肯定することなく、話を聞くだけだと、老人はさらにネガティブ発言を繰り返すそうです。

では、どうすればいいでしょう。 平松先生は「やりたいことをなるべくやっていただく」「体を適度に動かしてもらう」など、いくつかの対策を提案しています。老人が自分を卑下すのは、「自分が誰の役にも立っていないことを、非常に気にしている」からだとか。 たとえば、入院患者さんなら、院内の鉢植えの水やりを手伝ってもらう、退院後にやりたいことを決めて準備していく…など。ご家族とも協力しながら、本人が前向きになれるようにサポートしていきたいものですね。
このほかにも、本書には、老人の困った行動と対処法がいろいろ紹介されています。
- 約束したのに「そんなこと言ったっけ?」と言う。
- 自分の家の中でもよく転ぶ。
- お金がないという割に無駄遣いが激しい。
- 都合が悪い子とは聞こえないふりをする。
…などなど。
高齢患者さんとのコミュニケーション術を磨くため、あるいは、ご家族の介護の手引きとして、ぜひ本書を手にとってご覧になることをおすすめします。
画像提供:PIXTA
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