2018/09/11

映画『愛すれど心さびしく』〜世の中、自分を語りたい人ばかり。

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原作『心は孤独な狩人』を映画化

はい。みんな、お元気? ずいぶん涼しくなってきたわね。さて、今回は映画のお話をしましょうか。私が観た映画のなかで、もっとも泣けた映画をね。『愛すれど心さびしく』って映画なの。1968年製作のアメリカ映画だから、もう50年前ね。ネット検索したらDVDがあったけれど、プレミアムついてとっても高いの。だから買わなくてもいいわよ(笑)。原作はカーソン・マッカラーズの『心は孤独な狩人(1940)』という小説なの。彼女このときまだ23歳だったけれど、才能あるのね。社会にうまく適応できない人や排除されてしまう人の孤独を描いてアメリカ国内で高い評価を受けたのよ。いつか彼女のこともお話したいわ。

自分の愚痴や不満は言うが、誰も彼の話を聞かない

舞台はアメリカ中西部の田舎町。「耳が聞こえない」「言葉を発することができない」、でも、人とコミュニケーションがとれるシンガー(アラン・アーキン)という名の青年が主人公なの。彼、ワケあって、とある下宿屋にやってきます。そこはもともと下宿屋ではないんだけど、お金が必要だったのね。それで部屋を貸すことにしたわけ、そこには多感な十代の一人娘(ソンドラ・ロック)がいて、彼女自身の部屋がなくなったことにイラつき、シンンガーに辛くあたるの。でも彼は一所懸命、彼女の話を聞き、彼女が音楽の道に進みたい夢があることを知るのね。するとレコ-ドプレーヤを買ってきてモーツァルトの交響曲『ジュピター』を聴かせてあげるの。また、ある黒人医師は彼自身の娘と折り合いが悪く、その不満をシンガーにぶつけるのよ。とにかくシンガーの周りには「語りたい」人ばっかりがやってきて、愚痴や不満をぶつけて、そしてスッキリして帰っていくの。誰も彼の「話」なんか聞かないのよ。みんなは勝手に彼はコミュニケーションがとれないと思っているからね。シンガーはこのタイトル通り、『愛すれど心さびしく』だったのよ。

思いきり泣いて気分転換

シンガーには一人だけ心の友がいたの。同じ境遇で、その上精神疾患を抱えていたために入院治療中だったんだけど、亡くなってしまうの。シンガーは絶望し孤独に苛まれ、自殺してしまうのよ。そのあと彼の墓前で下宿屋の少女が、「あなたを愛していました」と何度も言うの。私、映画を観ながら「なんで生きてるときに言ってあけないのよ」と泣きながら怒っちゃった。そう思わない? どうしてこの映画のことをお話したかと言うと、思いきり泣ける映画は、心が洗われるの。最高の気分転換になるわ。だから、泣ける映画を探して、タマにはわあわあ泣いたらいいわよ。

オフになったら「語りたガール」よ

あ、そうそう。もうひとつ付け加えておくね。みんなは職業柄、患者さんやご家族のお話に耳を傾けると思うけれど、忙しさを理由に十分に時間をとれないこともあるでしょ。そんなときはちょっと手すきになったら、もう一度聞いてみて。そういう態度が、患者さんやご家族には嬉しいものなのよ。ま、「語りたガール」になるときはオフにしましょうね。男性は…まいっか。ふふ。じゃまたね。


愛すれど心さびしく(1968 アメリカ映画)
The Heart Is a Lonely Hunter
監督 ロバート・エリス・ミラー
原作 カーソン・マッカラーズ
主演 アラン・アーキン、ソンドラ・ロック

画像提供:PIXTA

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