31名の受講生が摂食・嚥下障害看護の第一歩を踏み出しました

愛知県看護協会では、摂食・嚥下障害看護認定看護師をめざす看護職のための認定看護師教育課程を開設しています。9月25日に行われた開校式から早3ヵ月。全国から集まった31名の受講生は、第14期生として目下奮闘中です。修了式までの約半年間、摂食・嚥下障害看護のスペシャリストを目指し、講義や演習・実習に励んでいきます。ぜひ、応援してください。
第14期生のなかから、2名の看護職にインタビュー。摂食・嚥下障害看護をめざした、それぞれの思いと決意をご紹介します。
自分に何ができるのかを考え、学びを深めたい
私の勤務する病棟は、消化器内科、神経内科が中心の混合内科病棟です。近年の高齢化に伴い、多くのご高齢の方が入院されます。その中で、誤嚥性肺炎や加齢に伴うサルコペニアなど、種々の要因で「食事が出来るか否か」という問題に直面される方は少なくありません。そして、結果的に中心静脈栄養などで転院となってしまう状況を多く見てきました。
十分な知識も技術もない自分が力になれることはほとんどなく、もどかしい思いを常々感じていました。「看護師として自分に何ができるのか」そんなことを考えているなかで参加した日本摂食嚥下リハビリテーション学会で、さまざまな病院の活動や取り組みの報告を聞きました。そして、「看護師が中心となりできることはこんなにもあるんだ。もっと看護師が積極的に取り組んでいくべきなんだ」と感じ、「嚥下についてもっと学び、専門的な知識を深めたい。そして、<食べる>ことのできない患者の力になりたい」と思うようになりました。そして、摂食・嚥下障害看護認定看護師教育課程を受験することに決めました。
講義はまだ始まったばかりですが、摂食・嚥下領域に関する専門的なことはもちろん、今まで深く考えたことのなかった、管理や指導における視点やサービスとしての看護についてなど、ご高名な先生方による講義はすべてが新鮮で、日々学びになることばかりです。
喫緊の課題である2025年問題を見据え、今後は入院患者のみでなく、在宅で療養生活を送る方々への支援も重要となります。また、地域における予防的な取り組みが、今後ますます必要となることが予測されます。教育課程では、そういったことも意識しつつ、自分に何ができるのかを考え、学びを深めます。修了後は院内のみでなく地域へも目を向け、より多くの人を笑顔に導けるよう日々研鑽していきたいと思います。
初めは慣れない環境で心細い時もありましたが、同じ志を持った31名で支えあい、助け合い、高めあいながら過ごす毎日はとても充実しています。ともに成長し、全員で摂食・嚥下障害看護認定看護師への歩みを進めていきたいと思います。
「口から食べたい」想いを汲み取り、食べることの喜びを
私の勤務する病院は、病床数100床未満の小規模地域密着型病院です。入院患者さんは高齢者が多く、他院での急性期治療を終え、リハビリの継続や退院調整を目的として入院する方や、施設や在宅から誤嚥性肺炎などの急性疾患で入院する方などさまざまです。
今ではNST(栄養サポートチーム)の一員としてNST専門療法士の資格も取得し、多職種連携によるNSTラウンドにも参加しています。口腔ケアによる誤嚥性肺炎予防や、急性期からの積極的な栄養管理は、院内で少しずつ成果を上げ始めています。
しかし、その一方で、病棟での嚥下評価や訓練は、言語聴覚士に一任している現状があります。患者さんに24時間寄り添う看護師が、摂食嚥下リハビリテーションに積極的に介入することができれば、日常生活の中で嚥下評価や訓練が実施でき、異常の早期発見や誤嚥性肺炎からの早期回復が可能になります。このような看護を実現するために、摂食・嚥下障害看護認定看護師教育課程の受講を決めました。
修了後は、院内だけでなく近隣施設など地域の患者さんの「口から食べたい」想いを汲み取り、食べることの喜びを実感していただけるような看護を実践していきたいと思います。また、高齢化が進み認知症患者が増加する中で、食べることが叶わなくなった患者さんやご家族の意思決定を支援していけるよう、学びを深めたいと思います。
この教育課程での学習期間は、7ヵ月近くにおよび不安もあります。しかし、同じ目標を持つ31名の仲間と助け合い、全員で修了式を迎えられるよう頑張ります。
画像提供:PIXTA(トップイメージ画像)
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