天使だって、怒ります!

看護職は、慈愛に満ちた白衣の天使(!)でも、ときには、患者さんのわがままや、医師の心ない一言、先輩・後輩の態度にムカッと来ることもありますよね。
そこで、今回からシリーズで、看護職の皆さんにおすすめの、怒りのコントロール法(アンガーマネジメント)について紹介していきます。参考著書は、一般社団法人日本アンガーマネジメント協会・代表理事、安藤俊介氏監修・執筆『ナースのイラッ!ムカッ!ブチッ!の解消法59例』です。
「怒り」の感情って何?
怒りは、誰でも持っている自然の感情。楽しい、悲しい、嬉しいなどと同じです。ただし、特徴的なのは、怒りは「二次感情」と言われ、別の感情(一次感情)が根底にあるところです。それはどんな感情かというと、ストレスや不安。痛み、悲しみ、苦痛、寂しさ、弱さ、絶望、悲観…など。そういうネガティブな感情がいわば「種火」になり、そこに何かが起こることで「怒り」という大きな炎が燃え上がるのです。
たとえば仕事が忙しくてストレスを抱えていると、ふだんは気にならないことも、イライラしたりしますね。一次感情をいかに抑えるかが大切だといえそうです。
人は、6つのパターンで怒る。
日本アンガーマネジメント協会の分析によると、人が怒る原因は6つのパターンで説明できるといいます。
人はみな、自分の心の中に、コアビリーフを持っています。コアビリーフとは、「〜べき」「〜はず」という価値観。何か怒りにつながるような事件が起きると、人は自分のコアビリーフと照らし合わせ、そのできごとを意味づけます。そして、そのできごとがコアビリーフに反していると思うと、怒りを感じるというわけです。
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コアビリーフ①道徳心
少しでもマナーが悪い、ルールが守れないということが許せない。
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コアビリーフ②利己心
白黒はっきりさせないと気が済まない。中立に立つのがうまくない。
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コアビリーフ③自尊心
自分は他の人よりも優れている。なぜ他の人はそんなこともできないのか。
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コアビリーフ④執着心
思い込みが強い。頑固。人の話が聞けない。
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コアビリーフ⑤警戒心
物事には必ず裏がある。人は信じられない。
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コアビリーフ⑥自立心
言いたいことは言わなければ気が済まない。言った方が得に決まっている。
「〜すべき」を、自分にも他人にも押し付けない。
いかがですか。あなたの共感するコアビリーフはありましたか。自分のコアピリーフを知っておくと、何かで怒りを感じたとき、「自分はどうして腹が立っているのか」を客観的に把握することができるでしょう。
また、6つのコアビリーフ以外にも、職場で「〜べき」という考えをもつ人も多いと思います。たとえば、「看護職は、どんな患者さんとも上手に会話すべき」とか、「常に患者さん第一で行動するべき」とか…。これらはもちろん、看護のプロとして素晴らしい考え方です。しかし、あまりにもその「〜べき」を強く信じてしまと、それができないことに腹が立ったり、心が折れてしまいます。また、周りの人に押し付けてしまう心配も…。コアビリーフを尊重しつつ、度を過ぎてしまわないようにすることが大切です。
さてさて、次回は、怒りの感情のコントロール法について考えてみたいと思います。どうぞお楽しみに。
一般社団法人日本アンガーマネジメント協会
代表理事安藤俊介氏監修・執筆
ファシリテーター24名で執筆
『ナースのイラッ!ムカッ!ブチッ!の解消法59例』
発行所:日総研出版
画像提供:PIXTA
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有限会社メディアトレード WEBサイト制作会社です
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良くも悪くも、コアビリーフを持っている人ってナースに多い気がしました。
新人教育をするプリセプターにもこのような題材の勉強会があると良さそうですね!
仕事をしながら「〜すべき」という考えに囚われがちで、良い看護だと決めつけていた時期がありました。怒る原因が6つもあるとは知りませんでした!
コアビリーフを知っておくと仕事がしやすくなると思います。